マブール

さてここで最も重要な単語
ヘブル語  マブール
について考えてみましょう。
一般に洪水と訳されてます。
しかしそれが正しいのか?
ここで見てみましょう。

 実はこの(マブール)と言う古代の言葉は意味不明の言葉なのです。最も権威の在るBDB

と呼ばれるレキシコンにはバビロンからの借用語で原意は不明となっています。そこで登場頂くのは例の旧約聖書の最古代訳である紀元前3世紀中葉の70人訳ギリシャ語旧約聖書です。そこにはκατακλυσμοsという訳語が使われています。原意は下に(κατα)打ち砕くうねり(κλυσω)と言う意味です。確かに洪水とも取れますがむしろ津波の様なものと認識した方が正確に思えます。なぜなら、大水と言う言葉(ヘブル語マィーム ラビームや、ギリシャ語ではυδωρ πολυと言う言葉の方を使うはずだからです。)

従ってこの言葉(マブール)は洪水ではなく大津波や打撃等という衝撃波として認識した方が良いと思われるからです。

余分ですがこの(マブール)のギリシャ語訳として使われているκατακλυσμοsとよく似たκαταστροφηと言うギリシャ語は興味在る言葉です。こノカタストロフエー言うギリシャ語の原形はκαταστρεφωカタストレフオー(破壊する)と言うギリシャ語動詞の女姓名詞形です。この言葉が(ギリシャ語のカタストレフオー)こそが英語で激変と言う意味を持つカタストロフィックの語源になります。

 

2005年12月06日